今回は業務提携を開始したキャンプサイコー合同会社の「キャンプサイコーおじさん」こと柳井隆宏さんのインタビューをお届けします。キャンプを活用したイベント事例や、キャンプを通して得られる効果などをご紹介します。地方の強みとして挙げられることの多い「自然」を最大限活かすことで、インバウンドや国内旅行の需要への対応を強化していきましょう。
これまでの取り組み事例
Q1:行政との取り組みについて教えてください。
今年は神奈川県藤沢市との協力で「親子アウトドア体験フェス」を開催し、約2000人もの方が来場してくださいました。地元の家族連れの方々が、自然に触れながらアウトドアの知識を楽しんで学ぶことができ、地域の皆さんとの一体感を強く感じることができました。これを機に、今後もキャンプを通じた地域活性化に貢献したいと考えています。
キャンプに防災の視点も取り入れることで、次世代に向けた防災教育や新たなコミュニティの場を提供できる可能性を感じています。
Q2:これまでにプロデュースしたイベントについて教えてください。
「親子アウトドア体験フェス」や「キャンプサイコーサカバ」など、地域の方やキャンプ好きな方が気軽に参加できるキャンプイベントをいくつか企画しています。
特に親子向けの体験フェスでは、遊びと体験をしながら自然とのふれあいを学べることを大切にしました。キャンプサイコーサカバでは毎回ゲストを招き、キャンプや自然について語り合いながら交流を深めることで、新しい価値を見出せるよう心がけています。
今後は藤沢市外でのイベントや大学との協業も視野に入れており、地域の枠を超えたコミュニケーションを活発化していきたいです。
地方でのキャンプ / キャンプの魅力について
Q3:地方の魅力について教えてください。
地方でキャンプをすると、そこに息づく自然や文化の豊かさを改めて感じます。日常では見過ごしてしまう小さな風景や音にも新鮮な発見があるんです。
例えば、地元の海や山の幸を焚き火でじっくり調理していると、その土地のエネルギーが体の一部に取り込まれていくようで、深い満足感が得られます。川のせせらぎや葉が風に揺れる音に耳を傾けていると、都会の生活では味わえない、自然そのもののリズムが心に響きます。
私は地方の中小企業と関わる仕事も多いので、なるべく現地に足を運び、キャンプをしながら地域の魅力や課題に触れるようにしています。現地でのキャンプは、その地域を自分ごととして感じられるので、仕事にもリアルな支援がしやすくなります。そして、その経験がキャンプの魅力を伝える活動にもつながっていると感じます。
さらにキャンプ中はアイデアが湧きやすく、普段凝り固まってしまう思考も自然の中で解放されて、ポジティブに広がるんです。普段とは異なる視点が得られて、新しいエネルギーをもらえるような感覚ですね。キャンプの「心と体に優しい効果」は、ストレスホルモン「コルチゾール」を減らす効果があるという研究結果も出ているようで、これが自然の力なのだと感じます。
Q4:キャンプの魅力とは何ですか?
キャンプの魅力は、自然とつながり、地球の一部として過ごせることだと思います。
森や湖で焚き火を見つめながら過ごすひとときには、何にも縛られない自由があり、その時間、肩の荷を下ろして自分と地球が一対一で向き合えるんです。心も体もどこか浄化されて、仕事や社会のあれこれが小さく思えてきます。
そうして自然の中で過ごすと、全身の細胞がリフレッシュされるような感覚があって、「自分は今、地球の一部なんだ」と実感できるんです。焚き火を囲んで家族や友人と語り合ったり、初対面のキャンパーたちとも自然に打ち解けられるのも、キャンプの大きな魅力です。キャンプには「ゆるくても真剣な自分」が出せる場があると思います。
Q5:キャンプにハマったきっかけは何ですか?
私がキャンプにのめり込んだのは、FUJI ROCKでのテント泊が始まりです。その後も友人とフェスやキャンプを体験しながら、夜に焚火を囲んで友人と語り合い、星空を見上げたとき「キャンプはただの趣味以上のものだ」と感じました。
キャンプはシンプルだけど奥深い、静かな自分と向き合える時間なんです。それ以来、ソロキャンプにも挑戦し、「地球の一部として生きる」感覚と「孤高のゆるさ」を持てるようになりました。
最近ではキャンプの防災的な意義にも注目しています。いざというときの知識や技術がキャンプで身に付き、災害に対する備えとしても役立つ。「楽しく過ごしながら地球と共に生きるスキルを身につける」、それが私の理想です。
キャンプサイコー合同会社 / キャンプサイコーおじさん自身について
Q6:キャンプサイコーおじさんとしての活動について教えてください。
イベント運営やコミュニティ活動のほか、今年はラジオや雑誌、WEBメディアにも出演しました。また、日本オートキャンプ協会での講師や防災キャンプのセミナー講師も務め、活動の幅が広がっています。
来年は、地元で「防災とキャンプ」をテーマにしたラジオ番組を持ちたいと思っており、スポンサーも募集中です(笑)。
Q7:キャンプを日本中に広めたいという思いがあると聞きました。
キャンプは、地域の隠れた魅力を発見し、家族や友人との時間を豊かにするものだと思います。各地の自治体と連携し、自然と触れ合えるイベントやキャンプ場を増やしていきたいですね。
特に地方には、まだ多くの資源が眠っています。遊びながら防災も学べる「遊防災」を通じて、楽しみながら地域の安全を強化する取り組みも進めていきたいです。将来的には、地元の藤沢にキャンプ場を作るのも夢の一つです。
Q8:キャンプを通じて社会にどんな価値を提供したいと考えていますか?
デジタルが席巻する時代だからこそ、自然の中で自分らしくいられる時間がますます必要だと考えています。デジタルとリアルが相互に補完し合い、交流が深まっていくような活動がしたいですね。
キャンプには、思いを素直に表現できる空間があり、心と体の両面で「人間らしさ」を取り戻せる力があります。キャンプサイコー協会を通じ、自然の中で感じる豊かな時間をより多くの方に届けたいです。
Q9:キャンプサイコー協会の活動はどのように成り立っているのですか?
キャンプサイコー協会は、勢いで始めた活動でしたが、今では多くのファンとの信頼関係に支えられており、いつも助けられ感謝しています。キャンパーたちと交流しながら、社会や家族との関係などについてお話を聞くことも多く、イベントで協力していただくこともあります。
私自身「キャンプサイコーおじさん」と呼ばれつつも、ファンからキャンプのコツや楽しみ方を教えてもらっている側面もあります。こうして、人と自然、地域と住民、キャンプと人がつながる活動を続けていきたいですね。
Q10:今後の目標について教えてください。
今後も「地球に愛されるキャンプ」をテーマに、自然と共生するキャンプ文化を広めていきたいです。キャンプは道具や場所だけでなく、人と自然が一つになる場でもあります。日本中の人にとってキャンプが身近で、環境にも優しいアクティビティとなり、キャンプを通じて地域や地球の未来に貢献できたらと思います。
今回はキャンプサイコー合同会社の「キャンプサイコーおじさん」こと柳井隆宏さんにインタビューを実施し、キャンプや地方の魅力について、また、行政を巻き込んだイベントについてもご紹介しました。
「キャンプサイコーおじさん」にぜひイベントを企画してほしい!などございましたら、お気軽にお問い合わせください!